春合宿 北アルプス・蝶ヶ岳&涸沢

穂高連峰を望む 左から前穂高・奥穂高・涸沢岳・北穂高・大キレット

春合宿 北アルプス 蝶ヶ岳&涸沢

山 域:北アルプス・蝶ヶ岳&涸沢
期 日:先発隊 5月1日~3日(涸沢)
   :本 隊 5月3日~5日(蝶ヶ岳)
行 程:先発隊 
    5月1日 上高地・・明神・・徳澤園(小屋泊)
    5月2日 徳澤園・・横尾・・本谷橋・・涸沢(テント泊)
    ※ほっしーは徳沢から上高地へ下山
    5月3日 涸沢・・横尾・・徳沢(かわじは本隊に合流、takaは上高地へ下山)
    本 隊
    5月3日 上高地・・明神・・徳沢キャンプ場
    5月4日 徳沢キャンプ場・・長堀尾根・・蝶ヶ岳・・徳沢キャンプ場
    5月5日 徳沢キャンプ場・・明神・・上高地
メンバ:先発隊  Lかわじ taka ほっしー
    本 隊  Lハル なべ fuku いっしー you 良ちゃん

コースタイム:
    本 隊: 
    5月3日 上高地バスターミナル・・13:32明神館・・14:49徳沢キャンプ場
    5月4日 徳沢キャンプ場出発04:07・・08:03長堀(ナガカベ)山08:35・・
         08:56妖精の池・・09:40蝶ヶ岳10:16・・10:30妖精の池・・
         11:04長堀山・・14:01徳沢キャンプ場着
    5月5日 徳沢キャンプ場出発06:53・・07:49明神館・・明神橋・・
         08:16嘉門次小屋・・09:40岳沢登山口・・10:02河童橋・・
         10:16上高地バスターミナル着

山行記
春合宿先発隊「涸沢」
メンバー:かわじ、taka
2日目 5月2日(火)
 徳沢7:50…横尾9:00…本谷橋10:00…涸沢13:10
 昨夜音を立てていたみぞれが嘘のような快晴の徳沢。ほっしーさんのエールに送られて歩き出す。平坦な横尾への道だが、ザックの重さで早速背中が痛む。前を行くかわじさんの背中は、自分よりさらに重いザックで完全に覆われている。横尾大橋を初めて渡る。岩小屋跡で休憩すると、かわじさんは眼前に迫る対岸の屏風岩を仰ぎながら、若かりし頃、会の仲間とロープをつないだルートを話してくれた。 本谷橋手前でアイゼンを着装し、登りが始まった。ジグザグの急登で、涸沢から降りて来る幾人もの登山者と細い登山道ですれ違う。朝あと30分早く出発していれば…支度に手間取ってしまったことを悔いる。ザックは肩にくい込み、こまめに休憩を取って何とか歩き続ける。Sガレのあたりで涸沢カールが開けてきた。白く広がるU字谷の先行者が蟻のように見える。右側の斜面で岩と氷のかけらが崩れ落ちていくのを見て緊張する。やがて穂高の峰々が姿を現し、ヒュッテも遠く見え始めた。小さな一歩でも、歩みを止めねばやがて着く。分岐を過ぎこんもりした斜面を登ると、目の前に巨大な円形劇場のような涸沢カールが広がった。
3日目 5月3日(水曜日)
 涸沢6:30…本谷橋8:00…横尾9:30…徳沢11:00…上高地バスターミナル14:20
 頂き目指す登山者が、バラ色に染まる穂高の斜面を登っていく。そのまばゆい姿を背に、私はカールの広がりを下りていく。雪はサクサクと歩きやすかった。本谷橋をすぎると再び春のゆらめきに包まれて歩く。横尾を過ぎ、ケショウヤナギの芽吹きのコンポーズグリーンと川の流れの清冽なアクアマリン、岩峰の稜線のシルバーホワイトの景色に励まされながら徳沢に帰着。本体と合流するかわじさんと別れて歩き出すと、ザックもカラダも急に重さをまして、コースタイムの2倍をかけてトボトボ上高地まで戻る。明神を通過した辺りで、元気いっぱいの本隊のメンバーと会った。
憧れの穂高の懐で過ごした2日間。かわじさん、貴重な体験を支えて下さり、ありがとうございました。 (taka 記)

 日帰りでソフトクリームを食べに寄っただけの徳澤園に宿泊。今回私は日程がなくとんぼ返りですが、かわじさんとtakaさんは徳澤園のあと涸沢へ行かれます。当日、あずさが1時間半遅れた以外は順調に徳澤へ。
 上高地の中国人観光客の多さにびびりながら、どんどん透明度を増す梓川に癒される。そして久しぶりの穂高連峰はあまりに美しくて言葉を失った。
 徳澤園では美味しい食事に清潔なお風呂、なんといっても3人での会話が楽しくごちそうだった。当日の夜はそれまでの快晴が嘘のように荒れて、みぞれが降るしまつ。明日が心配だ…。
 翌日、昨日の荒天が噓のように晴れ渡り、むしろ雨にすべての汚れが流されたかのような明神に穂高を抱く空気。さすが、晴れ男のパワーはすごい。二人を送り出し、1人帰路へ。
 夏から秋にかけて、また来て今度はぜひ登りたいな。
(追記)
 この後午前9時に前穂高で滑落があり3人のうち2名が死亡、1名が重症のニュースがあった。昨日ずっと宿から見惚れていた前穂に明神。私が見ていた1時間後の事故。
 人間を寄せ付けない孤高の美しさに人は惹かれて、そして悲しい事故が起きる。改めて山は美しく、そして本当に怖いなと。美しさと怖さは表裏一体。これからもどんな時も気を抜かず、山に登らせてもらうという謙虚な気持ちを忘れずにいたい。
 そんなこともあり、takaさんから、無事涸沢から下山!の連絡があったときは、心底ほっとしました。素晴らしい天気に恵まれ、かわじさんと二人、涸沢の雪景色で撮った写真がとてもかっこよくて、眩しかったです。
(ほっしー 記)

山行報告(本隊):
 5月3日、新宿7:00発の"あずさ1号"で松本に向かう。ゴールデンウィークのため電車は満席で、デッキや通路に立っている登山客もいる。駅ネットで予約しておいて良かった。松本駅で本隊メンバー全員が集合し、バスターミナルに向かう。上高地行きのバスは2号車・3号車と増便されていた。お昼頃に上高地バスターミナルに到着し、おにぎり昼食を済ます。
 家を出る前に測ったザックの重量は19kg、重いけれど徳沢までの平坦な道なら大丈夫。道中、傍らに二輪草が咲いているけれど、一輪だけが咲き二輪目がまだ咲いていない。途中で休憩していると後ろから来た”なお”さんに遭遇できた。さらに涸沢から下山途中のtakaさんにも会うことができた。一行の足取りは軽く、特に良ちゃんの歩きが早い!
 途中まで迎えに来たかわじさんと合流して午後3時前に徳沢キャンプ場に到着。重いザックを下ろしてテントを設営し、屋外で良ちゃん提供のおいしい鶏のから揚げを肴にビールで乾杯!夜はエスパース6~7人用テントでいっしーさん特製の豚丼を食べ、コロナ禍後、久しぶりにテント内で団らんを楽しむことができた。楽しいけれど、明日に備えて早めに就寝。
 5月4日、午前2時起床!ハルリーダーから早朝4時出発の号令が出たため。テント内で朝らーめんを食べて身支度し、ほぼ予定通り4時に出発準備。かわじさんを先頭にヘッドランプを点け、徳沢の標高1562mから標高2677mの蝶ヶ岳(高低差1100m)を目指して出発!
 標高2000m付近で残雪で歩きにくくなったためアイゼンを装着。私は試しにチェーンアイゼンにしてみた。結果的にはチェーンアイゼンでちょうど良かった。樹林帯の中、つづら折りの急坂を登り始めてから4時間後に長堀山(ナガカベ山・標高2566m)に到着。体力の衰えか?睡眠不足のためか?今回の山行で最もきつい登りだった。
 長めに休憩を取り蝶ヶ岳山頂を目指して出発。"妖精の池"を過ぎると森林限界となり一気に展望が開けた。9:40に蝶ヶ岳山頂に登頂!前方に常念岳がド~ン、左手に穂高連峰がド~ンと迫っている。槍ヶ岳~南岳~大キレット~北穂高岳~涸沢岳~奥穂高岳~前穂高岳を望む。かつて登った山々を眺めることができて感慨深い。残雪の山々は特にきれいだ。山頂は直射日光が当たって寒くなく、いつまでも此処にとどまっていたいくらいだ。
 後ろ髪を引かれる思いで下山開始。4時間弱かかって徳沢キャンプ場に下山した。今日は約10時間の山歩きで久しぶりに疲れた。
 さっそくテント前に座ってビールで祝杯を挙げ、その後テント内で歓談した後に眠りに就いた。この晩は疲労のためよく眠れた。
 5月5日、4時半起床。テントを撤収し各人でパッキングしなおして上高地バスターミナルまで移動。途中、明神橋を渡って穂高神社奥宮に参拝した。その後、10:16に無事に上高地バスターミナルに到着。
 昨年12月末の冬合宿(日光白根山)は悪天候で途中で撤退となったが、この春合宿は天候にも恵まれ、成功裏に終わることができた。ハルリーダーをはじめ参加メンバーの皆様に感謝申し上げます。
(なべ 記)

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2023年05月05日